《MUMEI》
逆鬼ごっこ終了2
「わ、悪い!薫!大丈夫か!?」


俺はねーからわかんねーけど


スッゲーイテーんだよな!?


だって


しゃがみこんで震えてるし!


「ど、どうしよう」

「俺に訊くのか?」


だって他に誰もいねーし来ねーし!


暁なら、同じ男だし、対応できるだろ?


クイッ


暁の方を見てたら、薫にジャージのズボンを引っ張られた


「大丈夫か? 薫」

「…ん」

「ダメだろ」


…だよな


暁の言う通り、薫は涙目で、俺を見上げていた


ちょっと、可愛い、かも


「大丈夫、平気」

「けど…」

「それより、守れなくて、ごめん」

「え?」

「弱くて、ごめん」

「そんな事…」

「ごめん」

「薫…」

「ごめんね、誠」


薫は俺の足にしがみついて、謝り続けた


涙目なのは、痛いからじゃなくて、悔しいからかもしれねーな


「…今回は、仕方ねーよ」


俺も甘く見てたし


「けど…」

「とりあえず、怪我はしなかったんだし

次、頑張ればいーよ」


俺の学園生活も、始まったばかりだし


薫に言いながら、自分にも言い聞かせた

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