《MUMEI》
Schneeball und torte.シュネーバル(雪玉
Schneeball und torte.
シュネーバル(雪玉)とタルト。
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ピンポ〜ン♪

「ん…///」

お昼も過ぎたゆったりした時間帯。

克哉さんに頭を撫でられてうっとりしていると、玄関の方でチャイムの鳴る音がした。

「はいはい…」

ちょっと不機嫌な克哉さんを待たせると、音のしたドアの覗き窓を覗いてみた。

「あ、脩(おさむ)」

脩というのは、柳 脩(やなぎ おさむ)って言う高校の頃からの仲の良い友達だった。

今でも唯一連絡を取り合う仲で、あの克哉さんと出会ったホテルのバイトを回してきた張本人でもあった。

「克哉さん…」

ドアに背を向けると、こっちをじっと見つめていた克哉さんの側に行き『絶対にこの事とか言わないで下さいね』と念を押してから玄関のドアを開けた。

「おーアキラぁ〜♪」

玄関のドアが開くと脩が普段しないようなハグをしてきた。

「ど、どうしたんだよ〜ι///」
「この前のバイトありがとな〜ほい、バイト代」

そう言うと脩は鞄から白い封筒を取り出して、僕に渡してきた。

「あ…あぁ、ありがと///」
「いやいや、コレで彼女に怒られなくて済むんなら安いぜ…」

(あぁ…そういやデートの為にこのバイト回して来たんだっけ…)

でも、これでちょっとは食費が楽になるかな…。

と言っても、克哉さんが勝手に買ってきたりしてココ最近は逆に食べさせてもらっているような状況なんだけどね。

「おい、あの外人…」
「えっ///」

脩が鞄を下ろすと、リビングに居た克哉さんに気づいて、いきなり脩は僕の後ろに隠れてしまった。

『おい、あいつ…ホテルでお前の居場所聞いてきた奴だぜ…』
『う…うん、そうなんだ』

僕から連絡先を伝えなかったせいで、克哉さんは相当苦労したという話を聞かされていたから、その話もすでに克哉さんから聞いていた。

それで脩がホテルの人から何か言われて無いかな…と思ったけどその様子からすると特に何も無いようだった。

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