《MUMEI》

「克哉さん…あの…僕…あなたに何をされてもいいです…」

そう言うと彼のモノを触っていた俺の手をやんわりとどけようとしていた。

「嫌かい?」
「いぇ、そ…そうじゃなくって…あの…僕の身体…僕のこと…好きにしていいですけど…」
「けど?」

そう言うと彼の後ろ姿しか見えなかったが耳を真っ赤にしながら恥ずかしそうに俯いているのが分かった。

「優しくされるの…慣れて無くて///その…」

優しくされるのに慣れてない?

そんなにも非道い仕打ちを受けていたのか。

だからいつも悲しそうな表情をして、人の様子を伺うような素振りを見せていたのか…。

「私は小さい子の面倒も見ていたから、キミを満足させてあげられるくらい、人一倍優しいつもりだよ」

アキラを見て何だか放っておけないような気がしたのも、この自分の父性というか母性のような”人をかまいたい欲求”が惹きつけたのかもしれない。

でも、アキラはそうではないと言うように俺から離れると、浴槽の中で俺と向き合うように正面を向いた。

「違うんです…そんな…優しくしないで…もっと…」

そう言うと彼は唇を噛んで恥ずかしそうに俯いていたが、やがて決心したように潤んだ瞳で俺を見つめてきた。


「もっと…イジメて…ください///」
  

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