《MUMEI》
俺って奴は…
母さんに呼ばれて
遊びに行ったんだ

電車で1時間ぐらいかな

母さん
手料理を作ってくれてたんだ

クリスマスだったから

ケーキとプレゼントもあった

嬉しかった

母さんと会うのは
3ヶ月ぶりかなぁ?

………

姉さんは、

彼氏とお泊りなんだって

母さんが言ってた…


以前のように
食べ終えた食器を
流しに運んだ俺

…ガラスの灰皿があった

タバコ…

誰が吸うのかな?

………

ここには

もう、来ちゃ、いけないのかもしれないな…

……

そっかぁ…

みんな、新しい暮らしをしてるんだな

……

身体の中身が無くなったような感覚


淋しい


悲しい


苦しい


けど、顔には出さなかった

全ての嫌な事
不快に思う事を飲み込もう
みんなが幸せになるんだったら…


もう、4人家族じゃないんだ

……

物凄い、孤独感だった


父さんは
正月も忙しくて

けど、ひとりは馴れてたから


誰にも、甘えない

甘えたい気持ちがあるから淋しいんだ


誰にも頼らない

父さんの、お金を利用して、学校に行くんだ


生きる、力を養うんだ


いつも、ひとり


一人が当たり前なら

孤独なんか怖くない


そして、俺は

感情をコントロールしようとしたんだ…

出来たつもりでいたんだ…

……

俺の中に

知らない俺が居た


気付いたのは

卒業式の時だったんだ


上の高校に行かない人は少ない

エスカレーター式に
良い高校に行けるのに

行けない奴は別だけど

行かない人って、まず居ないんだ


なのに、俺は行かなかったから

浮いた存在だったんだ


ひとり、学校を後にして
帰宅しようとしてた時


俺を待ち伏せしてた奴が居たんだ

西田 「…翔太、話しあんだ よ……面、貸せよ」

翔太 「……」

めんどくせぇなぁ…

……

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