《MUMEI》
高校生活
父さんに
車で送ってもらったんだ

大都会の中にある学校

寮までは、歩いて5分


挨拶をしてから
部屋に案内された


父 「狭いが、綺麗だな」

翔太 「じゅうぶんだよ」

父 「大丈夫か?」

翔太 「心配ねーよ」
「それより、父さんは、父 さんの幸せをしっかりね」
父 「……」

父さん、返事に困ってやんの

愛人さんと、再婚するのかなぁ?


その日、父さんと
焼肉屋に行ったんだ

たらふく食ってから

笑顔で父さんと別れた


さーて、一人暮らしの始まりだな


何も変わらないよな

今までと、部屋が変わるだけさ


寮にもどった俺


寮の玄関先に
誰かが居た

外人さんだ

あの娘も、この寮に入る人かなぁ?

会釈をして、寮に入ろうとした時だった


金髪の女の子が

「うれせーなぁ!」

「もう帰れよ!!」

に、日本語で怒鳴ってたんだ……

俺、ビックリして
振り返っちゃったんだ

母親らしき人が
日本語で、話してたけど

父親は、知らない言葉と日本語が混ざって
娘らしき人に何か言ってたんだ


何語だろ?


マジマジと見てるのも
悪いから

部屋に戻ったんだ


英語じゃなかったよなぁ…

さて、片付けよう


ノートパソコンを机に置いて

押し入れに着替えをしまう
……

はい、終わり


たいして荷物もないもんなぁ

……ニンニク

食べ過ぎたかなぁ

ノド乾いちゃった


1階の、自販機に行ったんだ

静かだなぁ…


この学校

寮はあるものの

完全寮生は少ないんだ


日本に来た時だけ
ここに住む生徒や

家族が日本に来てる時にはここを出ても良いんだ


生徒は、商社や外交員の子供が多いみたい

前は、日本の俳優さんの子供も通ってたんだってさ

政治家の子供も通ってたりした事あるんだって


今は、ほとんど外人さんだけどね

教師やスタッフも
外人さん、多いし

色んな国の人が居るんだ


俺、面接の時

狭い良識に捕われない自分を作りたいから

と、言ったんだ

場違いの学校のような気もしたんだけど

親父、名前売れてるからかな

なんなく入学出来たんだ


ともかく

新しい生活の
始まりだったんだ

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