《MUMEI》 「か、勘違いですよ。確かに妖怪屋には行きましたけど…」 喋りながら、僕は 貴則の肩を軽く叩き、逃げるように促した アイツの狙いは、僕だ… 貴則を巻き込んでは、いけない 《嘘、ウルサイよ。オマエから人怨鬼のニオイがシテタ…。オマエ、アイツを見たダロ。オマエ、関係者だ…間違いナイ》 人怨鬼…? あの、鬼のことか? どうしよう… 人質にされて、結果として殺されるかもしれない… 混乱のさなか、ふと、横を見ると貴則が、まだそこにいる 「…オイ、早く逃げろよ…貴則…。アイツの狙いは、僕だ」 「はぁ?アイツの狙いがオマエだから、逃げられねぇんじゃんよ」 前へ |次へ |
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