《MUMEI》

《…ボクと戦ウノ?ただの人間ガ?》


舌をだらりと垂らした化け物がヒタヒタと歩み寄ってくる


《妖怪屋のガキは、人質ダカラ殺さナイ…。ダケド、そっちノガキは、喰ウ。マズそうダケドね》


「ハハッ…せめて美味しく食えよッ!」


そう言うと、貴則は
拳を握り締め、化け物へと駆け出した



貴則は、喧嘩が強い


他校の生徒でも、名前を知っているくらいだ


もしかしたら、本当に
勝てるかもしれない…
心の底でそう思っていた


…だが、甘かった


『バチンッ』



何かが弾けるような音が響き、貴則は、空中を舞っていた


『ドスンッ』


貴則が地面に落ちる音を聞いて、僕は、事態をようやく把握した

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