《MUMEI》
逆鬼ごっこ終了4
雷門 雪視点


「…そこで、仕込み針使う辺りが、お前だよなあ」


倒れている暁と


まだ多少不満気なミツを交互に見る


「これを俺に持たせたのは、黒崎だ」

「そうだけど、改良しただろ」


ミツの弟子が持たせたのは、ただ、相手を眠らせるだけの物のはずだ


こんな、うなされるわけねー


「副作用は無い。

…誠に手を出したんだから、このくらい、当然だろ」

「まーな」


本当は、俺だって、ボコりたい


けど、俺とミツは教師だから、基本的に生徒に手は出せねー


特に、この学園の生徒は、金持ちばかりだしな


暁の実家だって、生徒会には劣るけど、金持ちには変わりねーし


…まぁ、ミツなら弱味の一つや二つや三つ位、握ってそーだけどな


「じゃあ、俺は誠の所に行くから」

「あぁ。俺は、黒崎に連絡を入れる」


ミツの変装は、俺程凝っていない


髪型と眼鏡を変えただけだ


それでもミツが美形だとバレないのは


目付きや声色、姿勢、態度や性格を完璧に変えている


ミツの演技力の凄さだろーな


完璧に、すぐに『白田先生』に戻ったミツを見ながら、そう思った

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