《MUMEI》

キャッキャっ♪とはしゃぐ彼女の姿を見ていると、僕まで嬉しくなってしまう。

いつも近寄ってくる彼女達は化粧が濃くて、その匂いもダメだった。

話し方も相手を煽てる為にオーバーリアクションばかりで、うんざりしていた。

でも彼女はナチュラルメイクで、仕種も可憐だ。

まさに僕の理想の女神!

僕は自分の気持ちが彼女に向いていることを自覚していた。

その後、合コンが終わるまでずっと彼女と話をしていた。

僕がずっと成績で1番を取り続けていること。

本当は運動はあまり得意ではないけれど、努力で何とかなったことなど。

彼女は終始笑顔で、聞き入っていた。

だから思いきって、帰る時に彼女に言った。

「あの、また話をしたいから、ケータイの番号とメルアド教えてくれないかな?」

自分から申し出ることははじめてだった。

「良いですよ。わたしもまた、あなたと話がしたいですから」

彼女は笑顔で、受けてくれた。

それから彼女との付き合いがはじまった。

毎日メールをして、電話をした。

休日なんかは二人っきりでデートをした。

僕はハッキリと気付いていた。

彼女に惹かれていることを。

そして彼女もまた、僕に興味を持ってくれていることに。

デートはいつも、僕の言い出した所に付き合ってくれた。

偶然にも、彼女が興味を持っていた場所と重なっていたからだ。

いつもお菓子を作って来てくれたり、お弁当も時々作ってくれた。

どれも僕好みの味で、嬉しかった。

まるで彼女と波長がピッタリ合うようだった。

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