《MUMEI》
夢の中の出来事 3
アニマルは心配顔でアイに言った。
「アイ。これをどうまとめる?」
「まとめるとは?」
「オランウータンを」
「え、アニマルはオランウータンを見たの?」
アイの言葉にアニマルとマキは驚いた。
「アイさん」
近くにいたホークも呟いた。
「会いたかったな。日本語を話すオランウータンに」
「ホーク」
マキは感激の面持ち。スタンも渋い顔で言った。
「結局、目撃者の見間違えだったか?」
「ああ…」フランクも頷いた。
ダスティは顔面蒼白で皆の話を聞いていたが、たまらず口を挟んだ。
「どうしたんだみんな。頭でも打ったか? ビリー助けろよ」
「ダスティは見たのか。オランウータン?」
「よくもそういうとぼけたことを。現実を直視しろよう!」涙を流すダスティ。
マードックがダスティの肩を叩く。
「ダスティ。船にいる人間。おまえ以外全員オランウータンだったらどうする?」
「それはパニック映画じゃなくてホラーだろ!」
ダスティは船を操縦するハーリーのところへ行った。
「ハーリーは現実から目をそらせたりしないよな?」
「オレは何も見なかった」
「バッファローじゃなかったバーロー。それでも船乗りか?」
「関係ねえだろ」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫