《MUMEI》
39.6℃
.
二日後
年末だから部活は休みだ
「…ここが?」
隆之はプリントアウトした地図とそのビルを見上げ
「…間違いない。」
再度地図に目を移した
「このビルが丸々、撮影に使われてるはずだ」
朝から、隆之と待ち合わせ
慣れない電車を乗り継いで。
(俺らの住んでるとこには全くないんだ)ビルがある街まで、行って
今、ここにいる
俺はここが何処か、理解してない。
ボーっとして、それどころじゃなかった。
ただ、俺が惚れたヤツをあんな…
あんなこと、させておきたくなくて。
その想いだけで、
体が動いてた気がする
朝、熱があった
でも
39.6℃なんかより、
「佑二、行こう」
ずっと熱く
「…ああ。」
俺は、秀一が好きだから。
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