《MUMEI》 『可愛いよ、愛一郎 ……なんてね…キャッ』 脳内トリップしてた 私は、思わず声に出 していた。 『可愛い?俺が?』 愛一郎さんが、私に 聞いて来た。 『ゲッ!…あ、いや …その…顔がイイっ てね(苦笑)』 うわっ、苦しいなぁ この言い訳。 『ふーーん、顔がイ イねぇ?まっいっか 褒めてくれてアリガ トね、萌子。』 意味ありげに笑う愛 一郎さんに、ギクリと しながら私も笑う。 『じゃ、今夜よろし くね?』 『はい。いってらっ しゃい、愛一郎さん 』 玄関先で軽くキスを 交わし、見送る。 …は〜、最近ヤバい 事が増えて来たなぁ いかんいかん、気が 緩んでる証拠だなぁ トップシークレット なんだから…愛一郎 さんには、絶対に秘 密なんだから… バレたらドン引きさ れて、即離婚だろう なぁ…。 嫌、それだけは嫌だ !だって、私は…私 は、腐女子だけれど こんなんだけれど… 愛一郎さんが、好き なんだもの。 前へ |次へ |
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