《MUMEI》 夢の中の出来事 4ハーリーは力強く言った。 「科学者の発言は重いんだ。マキが傲慢な調査委員会の連中に詰問されてもいいのか?」 「……」 「公開の場で、しどろもどろになるほど責められて、侮辱され、嘲笑を浴びる。いいのか?」 「良くない」ダスティは即答した。 マキは感動していた。かなり危険な目に遭ったが、この8人との冒険は、生涯忘れられない思い出になる。 ダスティは落ち着かないそぶりで川を見たり、マキを見たり、俯いて考えたりしていたが、口を開いた。 「思い出した。あれはアドニスだ。デブってるからオランウータンと間違えた」 スタンが笑う。 「テメーのほうがデブだぞダスティ」 「うるせえ。テメーだってお世辞にもスリムとは言えないだろ」 「バカこれは筋肉だ」 「脂肪だろ」 「黙れヒポポタマス」 「だれがヒポポタマスだ」と脳天にエルボー! スタンは怯まずバックに回ってバックドロップ! 「がっ…」 「やめなさい!」アイが怒る。 マキは口もとに軽く笑みを浮かべた。 前へ |次へ |
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