《MUMEI》
アルコール
俺自身、何も変わらぬまま
月日が流れた


この学校って
生徒の出入りが多いんだ

親の都合で、日本に居る間だけ、通って来る生徒が多いから

もちろん、日本に永住してる生徒も居るけど

自宅から通学してるから

寮に居るのは
俺とターニャぐらいかな?

必然的に
漢字をやらされたんだ

クリスマスパーティーの


宗教的に、NGの人も居るんだけど

キリストがどうとかじゃなくて
日本では、お祭りみたいな感覚だから

と、呼び掛けたんだ


だから、メリークリスマスって、乾杯はするけど

気にしないでって


一方、クリスチャンも居るんだよね

アメリカ人多いしね

けど、寮に居るアメリカ人達は
寛容と言うか

騒げればOK!

みたいなノリだった

一安心だなぁ


パーティーが始まってからしばらくして

やっぱ、参加してもいい?
と、インドの女の子が来たんだ

大歓迎だよ、と迎え入れ

夜、遅くまで
フリールームで騒いでたんだ

今日は特別に許可を取ってあるんだ


誰が持ち込んだんだか
お酒があったんだ

知らずに飲んだ俺は…


足元、ふらふらだった

俺が酔っ払ってるの見て
みんなが笑ってた


無事、パーティーを終え

片付けが終わった後

ターニャが、俺を部屋まで連れて行ってくれたんだ

ターニャ 「ほら、しっかり 歩いてよ…」

「だらし無いなぁ…」

翔太 「大丈夫だぉ…」

ターニャ 「…大丈夫に、見 えないよ」

ターニャに手を握られ
階だんを上がったんだ

……

柔らかくて、綺麗な手だった


自分の部屋まで連れて行かれた俺

ターニャにベットに寝かされた時

俺、理性が吹っ飛び
ターニャを抱きしめちゃったんだ


ターニャ 「!…」


ターニャを押し倒すようにベットへ


ターニャの胸に顔を埋めた俺

柔らかいなぁ…


な、何やってんだ俺…


どこからともなく

理性が戻って来たんだ


どうしよう…


ターニャ 「レイプする気な の?」

低く、怒ったようなターニャの声…

翔太 「……」

色んな言い訳を考えたんだけど…

何も言えず

俺……

寝たふりしたんだ…


目を閉じ、じっとしてた俺

ただ、ひたすら
寝たふりをしてたんだ

……

ホントに寝ちゃってた

目が覚めたら
ターニャ、居なかったんだ

頭が痛い…

二日酔いってやつ?かなぁ……

どんな顔して
ターニャと会えばいいんだろ?…


その後、ターニャと会う事無かったんだ

ターニャ、来年、また来るらしいけど…

いったん、国に帰るんだって……

……

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