《MUMEI》 不愉快な正月母さんに呼ばれて 母さんの家に行ったんだ 年末の事だった いっぱい食事を作って 出迎えてくれたんだけど… 姉さんと、姉さんの彼氏も居たんだ 茶髪の爽やかな彼氏だった 俺、話し掛けられたけど あまり、話さなかったんだ 彼氏さんとも 姉さんとも 母さんとも 泊まっていけばいいのに、と、母さんに言われたけど 俺、帰ったんだ 俺…何を期待してたんだろ? 昔みたいな、生活は もう、無いんだ… わかってたはずなのに… …… 年末で、人が少ない夜道を 寒さに震えながら歩いてた 彼氏さん 泊まってくんだってさ… 母さん公認で セックスしてるって事かぁ…… …姉さん… もう、会いたく…ないや… 俺、一人が楽なんだな きっと… …… 年明け、父さんとも会ったんだけど 何だか凄く壁があって …… 家族が崩壊しちゃったんだな そう、実感したんだ 何ひとつ 良い事なんて無かった お金は、不自由してない 学費やら寮費やら 全部、父さんが払ってくれてるし 毎月、生活費も、口座に入れてくれてる 寮は、冷暖房完備だし 食事も、不自由しない 色んな国の料理が食べれるしね… けど… …… 仲良くなった友達も みんな家族が居て その、家族の都合で居なくなっちゃうんだ 自分が選んだ学校だしね 誰かを怨むつもりなんてないけどね… 前へ |次へ |
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