《MUMEI》
生還
「なに、安請け合いしてんのよ。運ぶの私。何百人も運ぶの大変なんだから。ほんと自分勝手。」
未来は事が終わったので腕を組みながら言う。
「自分が疲れるからって人を見殺しにする方が自分勝手だろ。」
ダリルは笑いながら言う。
「ふん。いいわよ。それで、リクが一緒にくるなら安いもんよね。」明らかにそうは思っていない言い方だ。
「あ〜じゃあ、お〜い人間。みんな前と後ろの人の手を繋いで目をつぶって。。」
未来はめんどくさそうに言った。
そして、未来が奇声を発し始めた。
「アァァ―――。」
いゃ、奇声と言うより大声だ。
乗客、皆が手を繋ぎ出来た楕円形の陣に電撃のようなものが走った。
その直後飛行機にいる人は全員沖縄の那覇空港にいた。
「た、助かった。」
リクの右隣にいた中年の男が腰を抜かしたようで、ドスンと座りこんだ。

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