《MUMEI》 男であるという事「う…うぅ…」 地面に伏す貴則は、低く呻いている 「た、貴則ッ!!?」 貴則の側に駆け寄ると、左腕がありえない方向に曲がっている事に気付いた… その曲がった左腕は、異臭のするよだれにまみれている 貴則は、あの長い舌にやられたのか… いますぐにでも、あの化け物を殴ってやりたい 舌を引っこ抜いてやりたい… 怒りと恐怖が僕の中で戦っている 怒りで頭が熱くなり、恐怖で背中が寒くなる 勝敗は、すぐに決まった ガクガク震え、前に進もうとしない足が恐怖の勝利を物語っていた 前へ |次へ |
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