《MUMEI》 周囲の人は、愛情表現だと言っているけど、明らかに悪意を感じるのはあたしだけ? 毎日毎日っ! 何かしらあたしにイジワルをしては、楽しそうにしているんだもの! サドだっ! 変態だっ! …でも、あの心底楽しそうな笑顔を近くで見れるのは、ちょっと役得…とも思えなくも無い。 ……だけどその笑顔の理由が、あたしの苦しむ顔ってーのはどーよ? 我が身を犠牲にしてまで、アイツのイジワルに耐える必要はあるんだろうか? まあアイツがあたしをいじくるおかげで、クラスメートとは仲が良い。 けれど…彼氏ができない。 というより、アイツが男子生徒を追い払ってしまう。 これでも人並みには青春をしたいのに! 何度か手紙や呼び出しを受けたこともあった。 けれどそのたびに、アイツがどこからともなく現れては、ブチ壊してくれる…。 おかげで高校に入ってから、彼氏が一度もできない…。 いっそアイツに責任を取らせようかとも考えたことがあった。 アイツはモてるのに、彼女がいない。 …まあいたら、あたしをいじっているヒマはないだろうが。 でも…これから一生、アイツにイジメられる日々が続くことを、自ら望むことは絶対にできなかった。 そんな苦悩しそうな日々を送ったら、絶対にいつかポックリ逝ってしまう! 精神的な面を考えて、責任を取らせることは絶対にやめようと思った。 前へ |次へ |
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