《MUMEI》 だけどこのままじゃなぁ。 ツンツン ん? 何か後ろ髪が引かれている気が…。 グイグイ …間違いない。 アイツはあたしの髪の毛をいじるのが、大好き。 今もHR中なのに、後ろから髪の毛を引っ張っている。 ここで大声を出すわけにも、リアクションを起こすつもりもないので、スルーする。 アイツも一応常識はある。いつもずっとかまってくるわけじゃない。 髪の毛を引っ張るのも、ほんの少しの力でだ。 決して強くはしない。 だからあたしもスルーできるんだけど…うっとおしいなぁ。 ストレスはブスブスとくすぶっている。 やがてHRが終わると、すぐに授業。 進学校なだけに、授業はすごくハード。 だから授業中だけは、アイツは何もしてこない。 代わりにお昼休みになると…。 「おっ、今日もキミの手作り?」 「そうだけど…。アンタはコンビニで買ったおにぎりとサンドイッチがあるでしょーが!」 お弁当を開けて、さあ食べよう!…とした時に、お弁当は取り上げられてしまった。 「交換しよーよ。ボク、キミの作るから揚げと出汁巻き卵、好きなんだよね」 「あたしも自分の好物だから、作って入れてんの! とっとと返してよ!」 手を伸ばすも、頭一つ分の差は大きい…。 「今日だけ交換!」 「ほぼいつも略奪してるじゃない!」 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |