《MUMEI》
Early morning.
  
「何よ〜遠慮しなくていいのよ、ちゃんと食べなさい」
「そうだよ〜僕が作ったんだよ〜いっぱいあるからね♪」
「あ…はい///」

朝から結構すごい料理が食卓に並んでいて、それにちょっとビックリしてしまっていた。

「梅子は日本人なんだよ、朝からこんなには無理なんだって…」
「そ、そんな事…ないよ…///」

そう言うと目の前にあったビーフシチューみたいなものに口を付けると、味が濃くってとっても美味しかった…けど、やっぱり朝から食べるにはちょっと重いようなカンジがした。



昨日、はるか君と一緒のベッドで一晩を共にしてしまった。

ベッドは大きくて端と端でも寝れるかな…と思ったんだけど、はるか君はベッドの中で私を抱き寄せてきた。

はるか君のお母さんが言った通りこのままエッチしちゃうのかな…と思ってそれにドキドキしていたのに、はるか君は私の胸に手を置いてそのまま眠ってしまっていた。

そうだよね…長旅で疲れてるし、そんな気分じゃないよね…。

さくらさんに指摘された通り、ちょっと大きめなこのサイズだからよく小さな子供とかに触られる事はあった。

だから小さな子供に触られるのには慣れているんだけど、やっぱり男の人に触られるのは慣れてないからドキドキしてしまってその音が寝ているはるか君にも聞こえてしまうんじゃないかと思うくらいだった。



「梅子、食べ終わったら部屋に来てね」
「えっ」

モタモタしている私とは対照的にさくらさんはさっさと朝食を済ませると、隣の部屋に行ってしまった。

「ゆっくりしてていいよ〜」

私が焦ってさくらさんを追いかけようとして席を立ち上がろうとしたら、はるか君のお父さんがのんびりとそう言いながら私にバームクーヘンを勧めてきた。

(やっぱり…朝食っぽくない…)

見ているとお父さんはニコニコしながらそのケーキを頬張っていた。

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