《MUMEI》
夢の中の出来事 7
マキは瞳を閉じて深呼吸。胸に手を当てて、高鳴る鼓動を落ち着かせた。
「アニマル」
切羽詰まったマキの声。アニマルも真顔でマキの紅潮した顔を見た。
「アニマル……」
次の言葉が出ないマキ。目が真剣だ。アニマルが先に口を開いた。
「マキ」
「はい」
「今度、二人きりでメシでも食いに行こう」
「え?」
マキは目を見開いてアニマルを直視した。
(アニマル…)
アニマルは気さくに言った。
「うまい店探しておく。二人で行こう」
マキは感動した。
(何だ、鈍感じゃないじゃん)
嬉しくなったマキは調子に乗った。
「えええ、どうしようかなあ?」
「ヤならいい」
「わあ待って!」マキはアニマルの太い腕を両手で掴んだ。「行きます。連れてってください」
ホークが戻ってきた。缶ビールを3本テーブルに置く。
「お待たせ…邪魔はねえだろ」
「言ってません」マキはホークの腕を掴んで隣にすわらせた。
「乾杯でいいのか?」ホークがマキに笑顔を向ける。
「サンクス」マキはキュートなスマイルをホークに返した。
「じゃあ乾杯だ。マキ。水着になってもいいぞ」
「ホークの前でビキニはチャレンジャーでしょう」
笑うマキにアニマルが訂正した。
「チャレンジャーじゃない。自殺行為だ」
「殺さねえ。犯すだけだ」
「言葉を慎め」
「うるせえ。俺様を除け者にすると深夜に乱入するぞ」
「やめろ」
「それだけはやめて」
マキは明るく笑うと、缶ビールをゴクゴク飲んだ。


END

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