《MUMEI》

「ねぇまーさきー。」


「なんだ。」


「こっち来てよー。」


「今忙しいから無理。」


「眠くないの?」


「うるせーなー。」


苛立ってピクリと片眉を吊り上げる将貴。


由里香は将貴のベッドから仕切りに誘っている。


「寝よーよー?」


「先寝とけ。」


「寝たくないの?」


「あのなあ!」


将貴は大袈裟に怒りを表せて怒鳴った。


「俺だって寝てーよ?

だがこうさせたのはお前らだろーが!」


勢いよく将貴が指差した先には、
教科書の山。


「な、ん、で、この俺が宿題なんかをやらなくちゃいけねぇんだよ!」


「アハハ、しょうがないじゃない。

優等生らしく振る舞うためには宿題ちゃんと提出しないと。」


「っのヤロー。

あの先公、俺の実力見るとか言いながら、
さりげなく宿題増やしやがって!

あーくそ!

普段なら放置なのに!」

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