《MUMEI》
楽しい日々
悠一は、あれからというもの、様々な場所に連れて行ってくれた。

映画やプール、ボーリング。公園で花火をしたりもした。お兄様が会議や仕事で一日中いない日など、遊園地や水族館にも連れて行ってくれたのだ。

まぁ、あの時はバレな
いように誰も部屋に入れないということにとても苦労したけど…。

でも、本当にどれも楽しかった。


夏休みが終わっても、悠一は毎日決まった時間には会いにきてくれた。時間が遅いからあまり長くは一緒にいられないけど、それでも僕の生活がずいぶん変わったのは、本当なんだ。


…あ、これが廉の言ってたことかな?

お嬢様として生まれてきた自分を呪っていたけど、今はそんなに嫌な事にも感じないし。


僕は、今胸を張って言える気がする。

自分は幸せ者ですっ!って。

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