《MUMEI》

―いる、この上にヤツが!


一瞬階段を駆け上がっていた足を止め、深く息をする。


―今いくから、頼むから無事で…


綾乃の安否を気遣いながらも、臨戦体勢を整え、一気に上のフロアに飛び出した。


フロアの奥にぼろぼろになったソファーがあり、綾乃はそこに横にされていた。

素早く視線を走らす、が、黒烏本人の姿は見当たらない。


「いねぇのか?」


慎重に気配を探りながら、綾乃に近づく、と―


―ガルルッ!


突然唸り声と共に、三匹の魔犬が躍りかかってきた。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫