《MUMEI》

「電気、消すよ?」


「頼む。」


パチン


視界が暗くなり、
由里香は目が慣れるまでしばらくその場に立っていた。


「由里香、こっち来いよ。」


視界がようやく慣れてきた所で、
将貴が自分の隣りを空けているのに気付いた。


「うん。」


やっとこの時間が来たか。


いつもは家に入って直ぐなことが多かったため、
こんな風に待たされるのは初めてだった。


心なしか、少し緊張しているみたいだ。


由里香は気持ちを落ち着かせながら、
ゆっくりとベッドへ向かう。


由里香も将貴と同様に下着だけの姿になり、
ベッドに入った。

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