《MUMEI》 ―変なヤツが来たわ。 しげしげとジャックを見ながらアリスは思った。 少し長いツンツンした深い紫の髪、ガラスのような薄い青の目、左目の下には涙、右目には上に二本、下に一本の線の入った道化師のメイク。 常に笑みを絶やさない顔。 「何して遊ぶ?マスター。」 無邪気に問われ、不覚にも泣きそうになる。 ―どうして…マリオネットのジャックの方が嘘じゃなく笑ってくれるの? 領主の娘であるアリスは、いつも権力や財力を欲しがる者達に囲まれていた。 そう、側使いさえも。 「マリオネットなら、あなたの特技を見せて頂戴。」 「いいよ♪さぁてお立ち会い。」 にこやかに応じて、ジャックはアリスに一礼した。 前へ |次へ |
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