《MUMEI》

寮に戻って、階段を上がる途中

ターニャ 「…ごめんね…」

「変な事に、巻き込んで… …」

と、ターニャが言ったんだ

翔太 「事実なの?」

「アイツらが言ってた事」

ターニャ 「…」

「たぶん…」


変な返事をする、ターニャだった


話しにくいよな

聞かなきゃよかったんだけど…

翔太 「何かあったら言って 、とにかく、生活圏、守 らなくっちゃね」

ターニャ 「…うん…」

翔太 「警察は?、両親とか は知って…」

「…ごめん…」

「立ち入り過ぎだね…」

ターニャ 「…」

翔太 「俺の、そう言う所が 嫌いって、ターニャ、言 ってたよね……」

ターニャ 「…」

翔太 「…お節介ついでに、 ひとつだけ、言わせて…」
「奴らが、何の目的で来た かわかるよね」

「逃げ切れなきゃ、戦うし か、道、無いと思うよ」

「もちろん、俺の勝手な意 見なんだけどね」

ターニャ 「…」

ターニャ、俺を見たまま
何も、返事しなかったんだ

手を軽く上げて


2階にある、自分の部屋に戻ろうとしたんだ

ターニャ 「何で?…何で私 を助けてくれたの?」

後ろから、ターニャの声がしたんだ

翔太 「…助けたって、つも りはないよ」

「ただ、俺、あーいう奴ら 、嫌いなだけ」

「ターニャには、迷惑だっ たかもしれないけど…」

ターニャ 「…」

「パメラの時も、そんな感 じだったの?」

翔太 「…ドコまで知ってる の?」

「プライバシーに関わる事 だから…」

ターニャ 「…本人から、聞 いたよ…」

翔太 「…それで、急に仲良 しになったの?」

ターニャ 「…上手く、話せ ないんだけど…」

「似たような、境遇って言 うか…」

翔太 「…」

「言葉、選んで話しにくい 事だね」

階段を通る、他の寮生が気になった

ターニャ 「…うん」

「翔太の部屋、行っていい ?」

翔太 「うん…」


ターニャが部屋に来たんだ

けど、ターニャ、何も話さなかったから

俺、結論から言ったんだ

翔太 「ターニャが安心して 、生活出来る事が1番だ よね」

「そうなれば解決でしょ? 」

「俺、男だから…ターニャ の痛みとかは、理解しき れないと、思うけど…」

「じっと我慢してるだけで 、解決出来ないなら」

「何か、アクション起こさ なきゃね」

ターニャ 「うん…」

翔太 「…迷惑、だったかな ぁ?」

「殴っちゃったし…」

ターニャ 「ううん…」

「パメラにも…翔太に、相 談してみたらって…」

「言われたんだけど…」

翔太 「…」

パメラがそんな事を?…

ターニャ 「…」

翔太 「あの、二人なら、騒 ぎを大きくするとは思わ ないけどね…」

「ターニャ、アイツラの家 とか知ってるでしょ?」

「おそらく、もう、何もし て来ないと思うんだ」

ターニャ 「うん…」

「あの……あのね…」

「もう一人…」

「……もう一人、居るの… …1番、悪い人が…」

翔太 「…そう、なんだ…」

「何か、対策しなきゃね」

ターニャ 「…相談…」

「乗ってくれる?」

翔太 「俺でいいなら」

ターニャ 「…他に…相談出 来る人、居ないんだ…」

翔太 「…」

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