《MUMEI》

テニスコートの裏手に行った俺達

通り行く人からは視覚になってるんだ…

ターニャとアミって女が、何か話してた


翔太 「言い争いは止めなっ て…」

ターニャ達にそう言った俺

ターニャ 「翔太が勝ったら 二度と、あいつらが来な いようにしてよね!」

「出来るわよね?!」

タクマ 「…まぁ、出来るだ ろうけどさぁ…」

「俺と、殴りっこ、するの ?」


ターニャ 「他に、何がある っての!」


俺、殴りっこ、するんだぁ……

いまさら、引けないよなぁ……

なんか…変なんだけど…

まぁ

いいか…


タクマ 「…マジかょ…」

「俺、強いぜ…」


た、確かに、強そうだよなぁ…

ビ、ビビったら、負けだ


翔太 「もう、いいよ!」

「らちあかない」

「始めよう…」

覚悟を決めて、俺、そう言ったんだ


タクマ 「オイオイ…」

「彼女の前で、カッコつけ たいのはわかるけどょ…」
翔太 「能書きはいいよ」

「アンタ、強いんだろ?」

「ハンディーもらうよ」

「俺が、最後まで立ち上が ったら、俺の勝ちな」

「ターニャに、二度と、アイツらを近づけさせない」

「ムービーも、取り上げて よ…」

「いいね」


タクマ 「オイ…」


先手必勝だぁ!


ゴン!

当たった!


殴った、俺の拳が、割れそうに痛かった

けど、タクマって奴の頬に拳が入ったんだ


タクマ 「痛てーなぁ…ガキ …」

アミ 「タクマ、待った、ス トップ、何かおかしいよ !」

タクマ 「何がおかしいんだ よ?…」


翔太 「相手は俺だろ?!」

「よそ見してんじゃねーよ !」


タクマの顔面に、俺の拳が…

か、空振りしたぁ!


んなろー!!

もう一回!


タクマ 「しつけーよ!」

ドン!!


あ、あれ?

い、息が…出来ない…


あっ…お腹、蹴られてるんだ…俺……


呼吸が出来たとき

猛烈な痛みが俺を襲ったんだ


翔太 「うっ……げぇっ…」

嘔吐しちゃった、俺


翔太 「ぐっ…」

立たなきゃ…


ふらふらと、立ち上がったんだ


タクマ 「…なぁ、止めよう ぜ…」


翔太 「…」


もっと、小さく腕を振らなきゃダメなんだ…

確か、そう、書いてあったよなぁ…

何かの本に…


タクマ 「コラ!止めろって !」

一発

ニ発

俺の拳が空振りしたんだ


こいつ、後ろに下がって避けてるんだ

だったら…


俺、左手でフェイント掛けて

タクマが下がったソコへ

足を前に踏み出し
右手を真っ直ぐ貫いたんだ
ガン!

タクマのアゴに、拳が当たったんだ


タクマ 「ちっ…ウゼーよ、 お前!」

タクマの拳が見えた


前に出ればいいんだ


俺、腕をとにかく振って
前に出た


拳が当たらない

ガン!

ゴン!

タクマの拳だけが、俺に当たってる


な、なんで?…

くそぉ!


大きく振りかぶって拳を前に出したときだった


何がどうなったのか?


景色が斜めになったんだ…

気が付けば



土の上だった…


タクマ 「ウゼーガキだよ、 ったく…」

タクマの声が聞こえたんだ
……

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