《MUMEI》

「俺達、勝ったんだな。」


しみじみと呟く先輩。


よく見ると、
目に涙を溜めている。


「先輩、泣くのはまだ早いっすよ!

まだまだこれから!!」


「そうだな…。」


するといきなりこめかみの両方に拳骨でぐりぐりされる。


「いででででで!!」


「賢史が俺を励ますなんざ、
10年早い!!」


「い、いで!

痛いっすよ先輩!!」


何のたわいもないやり取り。


だけどこんな時間がずっと続けばいい。


何度思ったことか。


あの時に戻れたら……。

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