《MUMEI》 試合終了後は、 ユニフォーム交換や握手したりなど、 自由な時間が与えられた。 そんな時を見計らってか、 奴が近付いて来た。 「榊原。」 先輩の声色がまた低くなる。 「あーあ、負けちゃった〜!」 榊原は大袈裟にペロリと舌を出して、 顔をしかめる。 「何のようだ。」 「別に。 ただ1つ言いたいことがあってねぇ。」 そう言って視線を先輩から、 隣りにいる俺に移す。 視線が俺を捉えた途端、 俺は僅かに肩を揺らした。 「お前、ムカつく。」 ジロリと睨む榊原。 必死に恐怖で体が震えるのを抑えていた。 「やめろ。 こいつは関係無いと前にも言っただろう?」 「いや、十分あるね。」 険悪なムードが2人の間を彷徨う。 どうしてなんやろう。 俺は不思議でたまらなかった。 前へ |次へ |
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