《MUMEI》

試合終了後は、
ユニフォーム交換や握手したりなど、
自由な時間が与えられた。


そんな時を見計らってか、
奴が近付いて来た。


「榊原。」


先輩の声色がまた低くなる。


「あーあ、負けちゃった〜!」


榊原は大袈裟にペロリと舌を出して、
顔をしかめる。


「何のようだ。」


「別に。

ただ1つ言いたいことがあってねぇ。」


そう言って視線を先輩から、
隣りにいる俺に移す。


視線が俺を捉えた途端、
俺は僅かに肩を揺らした。


「お前、ムカつく。」


ジロリと睨む榊原。


必死に恐怖で体が震えるのを抑えていた。


「やめろ。

こいつは関係無いと前にも言っただろう?」


「いや、十分あるね。」


険悪なムードが2人の間を彷徨う。


どうしてなんやろう。


俺は不思議でたまらなかった。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫