《MUMEI》
覚悟2
〜・*・〜・*・〜〜・*・〜・*・〜〜・*・〜・*・〜


バッティングセンター。


「おっす、みんな。」


バットがボールを捉える金属音が、
今は天使の歌声のように聞こえる。


「蓮翔、遅かったじゃねぇか。」


豪田の笑顔が、
天使の微笑みに見える。


「天使……。」


「は?」


「どうした、蓮翔、2時間前にあったばっかなのに、
やけにやつれてるぞ?」


神道の言葉に、俺はハッと我に帰った。


「死ぬかと思った。

マジ女があんなに恐ろしいなんて思わなかったぜ。」


豪田の隣りある椅子に腰を下ろし、
しかめ面を見せる。


「あー、そう言えば電話で変なこと言ってたな。

アレ何だったんだ?」

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