《MUMEI》 「先輩は信じてる。」 「っ!?」 そう、先輩は信じてる。 幾ら豹変して別人のようになっても。 榊原を信じてる。 これは俺の勝手な考えだけど、 強ち嘘ではないと思う。 だって見たんだ。 先輩が榊原の姿を追う視線。 それは凄く優しかった。 相手を信じているからこそ出来る表情。 「先輩は今でも信じとる。 だからそんな下手な演技止めたらどうですか?」 「………何度も言わせんな…。 お前には関係ない。 それに……今更無理に決まっているだろ。」 叫びに近い言葉を残して、 榊原は立ち去った。 前へ |次へ |
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