《MUMEI》
交流会・食事会直前8
一ノ宮 次朗視点


美しい僕の顔が近付いたせいで、誠の顔が赤くなった


唇の端に触れる直前には、目をギュッと瞑るし…


化粧じゃなくて


キス、したくなった


だって誠もそれを期待してるみたいだし?


でも、僕はバ会長や神澤と違ってケダモノじゃないから


ちゃんと、優しく化粧して、離れてあげた


それに


双子が、珍しく嫉妬してるみたいだし


誠の事は気に入ってるけど、双子も大事だからね


バ会長と違って、僕はお気に入りのセフレには優しいからね


醜い嘘吐き、以外には


「…朗、先輩?」

「何、誠?」

「「顔が怖いよ、朗」」


答えたのは、双子だった


「…そう?」


万引きなんかして


暁に、僕を足止めするよう頼まれたって最初正直に言わなかった醜い不良達の事を考えたせいかな?


まぁ、最終的には土下座させて謝らせたけど


「「ますます怖いよ、朗」」

「悪かったね。ね、誠。そんなに、怖い?」

「い、いえ」

「声、震えてるよ」


ちょっと、可愛い


「「あ、治った」」

「じゃあ、行こうか」


僕は、誠の手をとった

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