《MUMEI》 Frohe Weihnachten.(Gestandnis)Frohe Weihnachten.(Gestandnis) メリークリスマス(告白) - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 「どういうつもりだトリスタン…」 目立つサンタの格好のまま、さっき着替えていた車の中に押し込まれるように入れられると、後部座席の上に倒された。 くるみのチャイルドシートに俺が頭をぶつかったのもお構いなしに、その上に馬乗りになるようにトリスタンは乗っかってくると、俺の顔を覗き込むように顔を近づけてきた。 「お…お前まさか、本気で俺の事が///」 「何言ってんのよ、バカ…」 「いッ!」 ペチンとサンタのヒゲを弾かれると、トリスタンは俺の隣のシートに座り思い詰めたような顔をしていた。 「……」 サンタの衣装を脱ぎながらじっと物思いに耽っているトリスタンを見ていたら、トリスタンも頭を傾け俺の方に顔を向けてきた。 「あんたは私の事どう思ってるの?」 「はぁ?…どうって…」 そんな事を言われても、トリスタンは俺がドイツに来てからもうすでにそこに居た奴で、何を思うもそんな事を思った事も無かった。 「幼なじみ…じゃないのか…?」 そこに居るのが当たり前で、相手の事を特別に何か思う…という感覚は無かった。 「…すまなかったな、その…考えてやれなくて…」 「そんな事言ったら倦怠期の夫婦みたいじゃないの、アンタの妻はアキラでしょ!」 そう言ってトリスタンが俺の耳を引っ張ってきた。 「痛てて…」 「そんな事じゃないわよ…」 それじゃないって…俺に何の不満があるんだ。 サンタの格好からTシャツとジーンズになって、上に着るパーカーを探していたらトリスタンがサッと見つけてまるで子供の頃のように着せてもらってしまった。 「アンタに言わなきゃいけない事があるのよ…」 パーカーの前を留めて貰っている間トリスタンの顔を眺めていると、いつもフザケている時とはやっぱり違う雰囲気だった。 「何だ……」 突然、トリスタンが俺の胸に頬を寄せてきた。 前へ |次へ |
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