《MUMEI》
真夏日
夏休みに入って直ぐ

タクマ 「翔太、車来たんだ ろ?」

タクマさんが押しかけて来たんだ

アミさんと、ターニャも連れて…


ターニャと、気まずい一件から

2回かな

この4人で居酒屋行ったけど

ターニャは普通にしてるんだけど

俺、何か、……


タクマ 「へぇ〜、ベンツの Bクラスかぁ」

翔太 「そうなの?」

タクマ 「…知らないのかよ …自分の車…」

翔太 「…親父が買ったから …」

タクマ 「流石ボンボン…」
「初心者マークのベンツね ぇ…しかも、新車…」

翔太 「…」

アミ 「ぶつけるよ…」

ターニャ 「小さくてかわい いね、この車」

翔太 「…」

はしゃぐ気分じゃなかったんだけど

今度の月曜日に、海に行こうってなったんだ

アミさん、火曜日定休なんだけど

月に2回、連休取るんだってさ

……

今でも週に何回か
ジムに通ってるから

泳ぎは大丈夫だけど…

こんな水着じゃ、きっとダメだよなぁ…

買うかぁ…


………

毎日、真夏日が続いてた

日曜日、姉さんの見合いだったんだ

……

気になってしかたなかったけど

……

夜、姉さんからメールが来たんだ


翔太、元気?

生理来たよ、ちょっと残念かなぁ?

安心してね


短い文だった

見合いの事、何も書いてなかった


俺、残念です

って返信したんだ


姉さんから、返信は来なかったんだ


……今日も、寝苦しい熱帯夜だった


少し寝不足のまま

待ち合わせ場所の、タクマさん家へと車を走らせたんだ


タクマさん達、もう、駐車場に居たんだ

30分以上も前なのに

タクマ 「よーし、行こうぜ !」

翔太 「えっ?…タクマさん の車で行くんじゃないの ?」

アミ 「ターニャは、翔太の 車乗りな」

翔太 「俺、運転トロイよ… はぐれちゃうよぉ」

タクマさんが、俺の車のナビをセットしてた


タクマ 「これで大丈夫」


ったくぅ…

気まずいのにぃ


ターニャ 「あら、私が隣じ ゃご不満ですか?」

アミ 「私より、色気無いけ ど我慢しなさいね、翔太 君」

翔太 「…アミさん、人妻で しょ…」

アミ 「あら、今、人妻って 人気なのよ」

「人の女ってのが、刺激的 なんだって」

「…翔太君は?」

「人妻、嫌い?」

胸元開いたシャツを、わざと見せ付けるようなポーズして

アミさんが言ったんだ

翔太 「からかわないでくだ さい…」

……

タクマさん、ゆっくり走ってくれてた

これならなんとか着いて行けるかな


ターニャと、お互いの学校の話しをしながら

走ってたんだ

ターニャが持って来たCDを聞きながら

何とか、会話に困らない

よかったぁ


ターニャ 「思ったより運転 上手なんだね」

翔太 「まだ、そんなに運転 してないから…」

「たまに、黙っちゃうけど 怒らないでね」

ターニャ 「うん…何か飲む ?」

翔太 「うん」

ターニャがアイスボックスから、冷たい、缶珈琲を出してくれたんだけど…

開けれない…

ハンドル離せないし

高速道路だし…


ターニャ 「開けてあげるね 」

翔太 「ありがと…」

……

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