《MUMEI》
交流会・食事会
鳳凰寺 修治視点


「えーと、じゃあ、皆さんお疲れ様です。

乾杯!」


MVPとなり、乾杯の音頭を突然任された誠の言葉で、ようやく食事会が始まったが


…俺としては、永遠に始まってほしく無かった


「修治様〜! 何を食べますかー!?」

「うるさい、…彩花」

「う、嬉しいっ!やっと名前で呼んで下さいましたねっ!!」

「だから、うるさい」


好きで名前で呼んでいるわけじゃない


本当はいつもみたいに無視したい


だが


相手の女子の名前を呼び


相手の女子に料理を持ってきてもらわなければ


俺達男は食事が出来ない


そんなルールを、風紀委員が決めたから


今日は、無視できない


逃げ回って、空腹だし


今回は、観音寺さんが気合いを入れて作った今日限りのスペシャルメニューだ


それが純粋に食べたい人間は、俺も含めてもちろんいるが


女子を無視して


きっちり参加人数分用意された料理を残したら


観音寺さんが、怖い


それを知っているからこそ、今日は歩さえも、女子の相手を


不機嫌丸出しだが、していた


あんなに近かった誠が、今は遠くて


ため息が止まらなかった

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