《MUMEI》 交流会・食事会2鈴木 虎之介視点 誠が、遠い その事実だけで、俺はため息が止まらなかった 逃げ切れたら、誠の隣で 今、誠がいるステージに設けられた特別席で一緒に食事が出来たのに 俺は、高等部三年生の 十二階フロアの住人と、その相手が集められたテーブル席にいた 例年通りなら、学年を越えた交流が目的だから、立食スタイルの食事会だが 今年は、男女交流が目的だから、特に男は席から動く事を禁止されていた だから、誠の側にいたくても、いれない …相手がいない、神澤や、逃げ切った直人さんは近くにいるのに 生徒会役員や、その相手である風紀役員も割と近いのに 今回、俺は特に、遠い ふと見ると 俺よりは近いが、それでも割と遠くにいる鳳凰寺が、ため息をついているのが見えた もしかして、鳳凰寺も、誠を? … 『も』? 『も』って、何だ、俺 そ、そうだ、アレだ 神澤と同じって意味だ そうだ、うん うんうん … 何か、モヤモヤする 何でだ? 前へ |次へ |
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