《MUMEI》
交流会・食事会3
第三者視点


「鈴木、不機嫌だな」

「誰のせいだと思ってるんだ」

「二葉(ふたば)」


三つ子の赤髪の長男


草部 一葉(くさかべ かずは)は、黄色い髪の次男を指差した


「だよな」


青緑の髪をした三男・三葉(みつば)もそれに同意した


虎之介を捕まえた当の二葉は


「春宮のお陰だし」


と、フォークを春宮に向けた


「皆グルだろ」


食事中なので、本当は怒鳴りたいところをぐっと堪えて、虎之介は同じテーブルにいた四人を睨んだ


「だって、彼女と旅行行きたかったし」


二葉は相手の女子を抱き締めた


「だって二葉がCD買ってくれるって言ったし」

「DVD買ってくれるって言ったし」

「俺はCDやDVD以下か」


一葉と三葉のくだらない理由に、虎之介は更に落ち込み


ハッとして、春宮を見た


「まさか、春宮、も?」

「…欲しかった参考書があってな」


その後、四人の相手や自分の相手の女子まで『欲しかった本があって』と白状され


虎之介は、更に落ち込んだ


ちなみに、三つ子の家は大手出版社なので


今回のように、貴重な参考書や書籍を手に入れる事ができたのだった

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