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《MUMEI》 ｢ ……鳥さんっ、｣ あゆまは抵抗せず、大人しく俺にされるがままだ。 まだ、未知の開口に不安は隠せずに俺に訴えかけては来る。 ｢有志だ、次に間違えたら沈めるからな？｣ 指の肚を、更に押し入れると、水面が幾重にも続いた。 あゆまは黙って歯を食いしばり、頷く。 まるで、拷問に堪える兵士だ。 ｢……本当は何も知らないくせして。体の仕組みも、セックスの準備も知らないのに、体さえあれば繋がれるとでも？｣ 間接が入る、体が固まっていた。 ｢止めるの？｣ あゆまが離れた俺に縋るような瞳を向けた。 ｢……一服したい。｣ 舌を出して、口寂しさを紛らす。 ｢子供だから？それとも、何も知らないから？必要なものがあれば、ぼくが買ってくるよ……｣ まるで分かってない、必死さだ。 それだけのリスクがあるというのに。 煙草を点けてから、あゆまの内股を見て、不快感で火を消した。 ｢吸えば？｣ あゆまの背筋を伸ばしたしゃんとした正座に鳥肌が立つ。 湯上がりのまま二人上がったので、床が濡れている。 ｢ライター要る？｣ ライターがあゆまの手に握られていた、黙って指で寄越すように合図する。 返そうとしないあゆまに腹を立てて無理矢理引きはがそうと揉みくちゃになる。 力では勝っているが、あゆまは体を小さく丸めて握りこぶしを守っていた。 勝てるかよ……。 前へ |次へ |
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