《MUMEI》

陽菜はクラス委員長で、みんなの纏め役だ。大人しそうで真面目な外見とは裏腹に、わりと気さくでサバサバした性格の、明るい女の子。
人望も厚く、クラスのみんなからは『委員長』と呼ばれ、親しまれている。

何も知らない陽菜に、政樹は「おはよー、委員長!」と、適当に挨拶してから、真尋を半眼で睨む。
「真尋がちょー機嫌悪くてー。近寄らない方がいいよ」

「噛みつかれるから」と、冗談を付け足しては笑った。

陽菜は不思議そうな顔をして、「そうなの?」と、仏頂面の真尋を覗き込む。

そんな陽菜に対しても、真尋はプイっと顔を背ける。

「委員長には関係ないだろ?」

つれない真尋に陽菜も困ったような顔をすると、「こりゃダメだ…」と政樹の顔を見て外人のように肩を竦めて見せた。

前へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫