《MUMEI》

「ふぬッ!!」



(おっ…)



古賀が1対1を仕掛ける。


相手は前線に出ていた阿久津だ。



(速いッ…!!)



阿久津はなんとか反応するも、


突然の突破に完全に対応することはできず、



ザワ…


「抜いたぁぁぁッ!!!!!!」


ザワ…



若干の『抵抗』を見せるも、


間を割られる。



(貰った…!!)



シュートモーションに入ろうとする古賀。


しかし、



すっ…



すかさず2枚目、


二ノ宮がカバーへ。



(こいつ…)



ハンド経験の長い古賀はすぐに気付く。



(誘導されてたのか…)



そう。



『古賀を抑えられない』



そう判断した阿久津は、


重心をずらし抜ける方向を誘導。


二ノ宮が守りやすい位置へと古賀を誘い出したのだ。



(やってくれるね…)



(来い…)



身構える二ノ宮。



(けど俺は…)



シュートモーションに入る古賀。



(な…こいつ…)



その態勢は、



(そんなに甘くね〜よ。)



正面からのプロンジョン。


ディフェンスの二ノ宮を壁にしてのシュートだった。



バスッ!!!













……………













ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!


「すげぇぇぇぇッ!!!!!」


ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!


「いいぞ久志ぃぃッ!!!!!」


ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!


「ナイッシューです!!!!!」


ドドドドドワーワーッ!!!!!!!!!












……………













前半13分弱。


古賀のシュートが決まり、


7対4。


点差は再び3。


起死回生を期待させる一投が炸裂した。

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