《MUMEI》
アミさん家の事情
コートを着る季節になった頃

アミさん家がドタバタしだしたんだ

アミさんのお父さんが離婚するんだって…

ターニャから、多少話しは聞いてたけど…


そんなある日
ターニャが、アミさんに呼ばれたんだ

ターニャ、俺にも来てくれって…

……

アミさんの実家に行った俺達

…家財道具は、もう、運び出されていたんだ

……

アミさんから聞いたんだ

ここの屋敷、潰してマンション建てるんだって


…その事と、俺達、何の関係があるんだろ?


アミ 「不愉快な思いさせち ゃうけど、最後だから…」
アミさんがそう言ったんだ
ターニャ 「わかってる」

「だから翔太にも、来ても らったの」

翔太 「?…」

タクマさんが遅れて来たんだ

タクマ 「待たせたな…」

アミ 「ごめんね、タクマ」

タクマ 「いいさ、ケジメ付 けなきゃな」

翔太 「…」

何事なの?

アミさんが話出したんだ


色んなゴタゴタがあって

親族会議が何度かあったんだって

簡単に言えば、相続やら利権やらの話しらしい

一応の結論は出たようなんだけど

ターニャの両親は
親族の縁を断ったんだって……

アミ 「ターニャの事、話し たの…」

「お父さん、凄く怒ってね ……」

タクマ 「当たり前だよ…」

「そりゃ、自分で産んだ子 がかわいいのはわかるけ どな…」

「俺、あの人、嫌いだ…」

アミ 「一応、母親よ、私の …」

タクマ 「アミのお袋さんは 、永眠してる…」

「あの人は、違う」

タクマさんが感情的になってたんだ

アミ 「…もう直ぐ、来るか ら、ターニャ、一応話し だけ、聞いて…」

ターニャ 「…わかったわ… 」

翔太 「…何?…揉め事?」

アミ 「ううん、悪あがき」

「もう、話しは決着してる の…」

「父がね、ケジメだけはき ちんと付けなさいって…」
………

誰か来た

!……

アミさんの弟と、ケンだ…
………

二人がターニャに頭を下げたんだ

俺、黙って話しを聞いてた
ターニャも、黙ってた


アミさんの弟は、何もいいわけしてなかったけど

ケンは…


ケン 「悪い事したとは思う よ、けど、こんなのちょ っと酷くない?」

「何で、親父が平社員にな らなくちゃならねーの?」
「責任取るなら俺だろ?」

「…だいたい、処女ぐらい 、どって事ねーじゃんか」
「今、幸せなんだろ?」

「だったら、過ぎた事、ご った返さなくったってさ」
「俺も、その彼氏に鼻の骨 、折られてんだから、痛 み分けだろ?」

散々、いいわけしてたんだ
アミ 「父は何て言ったっけ ?」

「ターニャの家族が、縁を 戻すまで、貴方の家族は 冠婚葬祭、全て遠慮して もらうって言ったでしょ ?」

ケン 「だから、こうして頭 下げに来てるんじゃない か」

「親父が平社員になったら 、俺、留学してられねー よ」

タクマ 「自分の事ばっかだ な?…」

ケン 「…」


くだらねーや…

俺、そう思ったんだ


アミ 「翔太、不愉快でしょ ?」

「ごめんね、」

「父のわがままなの…」

「最後に、キチンと話し合 えって…」

翔太 「キチンとねぇ…」

俺、呆れながら言ったんだ

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