《MUMEI》

タクマ 「手間掛かる奴だな ぁ…ったく…」

タクマさんが戻って来たんだ

アミ 「変な役、頼んでごめ んね」

タクマ 「気にすんなって」

「翔太の言う通りだな」
「親も親だ…」

「自分のガキに金で解決し て来いと言うなんてね…」

アミ 「アンタは、何か言う 事ある?」

アミさんの弟が、口を開いたんだ


「悪いのは、コッチだし」

「いまさら、だけど」

「ホントに、悪い事しちゃったって思ってるよ」

「ごめんなさい…」

「…好きだったんだ…」

「……だから…間がさしち ゃったんだ…」


タクマ 「謝って、済む問題 じゃないよ」


アミさんの弟が、泣き出したんだ


アミ 「……泣いたって、何 も変わらないよ…」


アミさんの弟が、家から飛び出して行ったんだ

……

アミさん、お父さんに電話してた

その間、俺達、無言だったんだ

………

家具も、人も居なくなった家に鍵を掛けたアミさん


俺達、タクマさん家に行ったんだ
アミさん、俺達に、まだ話しがあるって言うから

……

簡単なツマミとビールを出されたんだ

タクマ 「泊まってけよ」

「帰って、二人が喧嘩され ても困るしな」

翔太 「喧嘩なんてしないよ …」

アミ 「ターニャが沈んでて も、困るでしょ?」

ターニャ 「…そんなに、弱 くないよ、私」

ターニャが、缶ビールを開けて、俺に渡して

ターニャ 「飲みたい気分だ ったし、車置いて帰ろう よ」

俺に、そう言ったんだ

………

アミさんの話しでは

色んなゴタゴタがあって
アミさんのお父さん
疲れちゃったんだって

後妻に来た、お母さん
浮気してたんだってさ…

自分の事、棚に上げて

息子可愛さに、ターニャが色仕掛けした、とか言ったんだって…

さらに、開き治って

汚らわしい家族なんだから、いいじゃないか、と言ったらしい…

タクマさん、プンプンに怒ってた


アミさんもエキサイトしてた

アミ 「ホント、嫌になる身 内ばっかりよ!」

「金、金、金だし…」

「みんな金の話しばっかり ……せいせいしたわ!」

タクマ 「アミ、飲み過ぎだ ぜ…」

アミ 「ターニャも、もっと 言いたい事、言ってやれ ばよかったのよ!」

ターニャ 「ないよ、言いた い事なんて」


「私ね、今幸せなんだ」

「女って、狡いのかもね」

「過去なんて…」

「どうでもいいって言うか ……翔太が、不愉快じゃ なきゃ、それで、いいん だ…」

「…思い出すと、悔しいけ ど…」

「普段、忘れちゃってるし 、……」

翔太 「それでいいんだよ」

「忘れちまいなよ」

アミ 「優しい、翔太」

「誰かさんは、まだ、ブツ ブツ言ってるのにねぇ」

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