《MUMEI》
招かれざる
服に隠れてる…だけなら、本人は気付いているか。本人が気付いていないのか、まだ出ていないのか…山男は可能性を考えながら、明智の全身を上から足許にかけて目線を動かした。

「ん?」

明智の足許に白い点があった。

山男の目線が止まった事に気が付いた明智も、山男が見ている自分の足許に視線を移動する。

「?」「??」

普段なら、米粒よりも小さいこの点には気付かなかっただろうが、長い時間、真っ黒な空間にいたふたりの目にとって黒の反対色である白い点は、はっきりと違和感として存在した。

「おかしいな。サプリのソウランにこんなミス…やばい!あけ…」

その白い点をミスと言った瞬間に、白が突然拡張した。それはものすごい勢いで黒を塗り替えていくと同時に衝撃を持って2人を襲ってきた。

明智は広がりゆく白を見て、自分のいた空間が、想像していた以上に広い事を知ったが、それに感動する間もなく、足許の地面だと思われる場所が無くなるのを感じた。

「うわ…!?」

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