《MUMEI》
ひきだしむし
いい加減部屋を片付けなさいとお母さんに怒られた。
わたしの部屋はすごく汚い。

ゴミ、服、本、髪の毛、使い終わった食器、わけのわからないもの、全部床に置いてあるのだ。だから足の踏み場がなく、わたしはわずかな隙間に足を踏み入れられるように足の裏を削り取った。

だけど最近、お母さんがわたしの部屋のドアを釘で打ち付けだしたので、わたしは少し部屋を片付けることにした。

ゴミ箱がないわけではない、服や本を収納するクローゼットや棚がないわけではない。

わたしは拘束着のようなベッドから下りて、落ちている服を折り畳んでクローゼットを開けた。本も棚に詰めた。食器は台所に持って行くにも部屋ならでれなくてどうしようもないから、食べてしまった。毒喰らはば皿までとはこのこと、ついでに毒も飲んだ。ゴミはゴミ箱に捨てた。一つだけ大きくてもう腐ってきたゴミがあったのでそれは冷蔵庫にいれた。

綺麗に片付いたら気持ちがいい。
わたしは生まれ変わった気分でさるぐつわをしてベッドに入り、ぐっすり眠った。

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