《MUMEI》
現実
昨日のお酒は水と炭酸になってわたしの顔はむくんだ。誰にも会えない顔だけど、今は一ヶ月先まで予定されている時代なのでわたしの睡眠は3分で終わった。ラーメンは3分でできるので眠るのもそのくらいで大丈夫。ただ化學式は書けない。

「お迎えにあがりました」

シャネルのスーツを着て1000円のパンプスを履くと、オートロックが開いて真っ黒の服を着たうさぎが微笑んでいた。河童の秘密なら知りません、と言ったらぬるぬるした水玉模様のベンツに詰め込まれた。背景は溶けてどろどろになっていたが、わたしは股間を押さえて運ばれることにした。

やがて大きなレストランに連れていかれ、清潔な布団にフルコースが並べられ、わたしは上座に座らされた。河童の皿に盛られたカルボナーラ。仰々しいベーコンの色に吐き気を催して、わたしは河童の皿を叩き割った。
緑色の夢は次々と料理を並べるけれど、二日酔いのお腹にはにゅうめんがいい。

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