《MUMEI》 忘れもしない。人間にはあり得ないその色素を持った少し薄目の水色の髪の毛。 適合魔法を完全習得するほんの少し前に、やつは現れた。 それまでにも少なくない数のノルフェスに狙われたが、ジェイオルはどのノルフェスと比べても、レベルが格段に高かった。 山男と明智の兄、善彦はそのとき、とてもじゃないが今度こそダメだ。と腹をくくった。 そして その覚悟のお陰で、フェルにもノルフェスにも使えない、スレシル特有と言われ、また、ほとんどのスレシルと呼ばれる人間達は到達することのない、ある大魔法の発動に成功した。 しかし、今は、その唯一頼りの魔法が、エネルギー不足という己の不注意のせいで、まったく使えない。 前へ |次へ |
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