《MUMEI》

はたまた自身の眼の細さを指摘されたからなのか
ソレは九重には分かりかねるのだが
だがどうしても言わずには居られなかった
「前言撤回していただこう!我の眼は」
此処でわざわざ言葉を区切ると
くさは九重へと顔を間近によせ、そして
その指摘された糸の様に細い眼を大きく見開いて見せる
「こんなにも大きいぞ!」
「主張はそっちか……」
言うべきはそちらではないようにも九重は思いはしたが
ソコは話が長くなりそうだと敢えて聞く事はせず
九重は困惑した様な表情で鈴の方を見やった
だが草を抱き抱え、楽しそうに笑う彼女へ
九重は何を言う事も出来ず
結局は、くさを自宅にて飼う羽目になってしまっていた……

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