《MUMEI》
とりかえっこ。
  
「でね〜武ィ〜///」
「…おい、お前らはなにか話さねえのかよ?」

休みの日だからってんでかなたの発案で、俺らと一緒にはるかと梅子ちゃんでデートをする事にて、それで近所のファミレスに来ているんだが…。

「……」
「……」

このはるかと梅子ちゃん二人は、さっきから下を向いたまま何も話さずにモジモジしているだけだった。

「今どきの小学生でもそこまでじゃないと思うぜ…」
「う…うるさい///」
「そうだ、手でも繋げばいいじゃん!」
「あっ///」

そう言うとかなたは二人の手を引っ張って、テーブルの上にあげるとで無理矢理手を握らせていた。

そうでもしねぇとこの二人、くっつきそうにないもんな…。

かなたは玉子のオムライスを食べながら俺のハンバーグに付いていた甘いニンジンを食べていた。

ファミレスを後にして、ちょっと行った所にあるだだっ広い公園に行くと、案の定かなただけがはしゃいで走り回っていた。

「お前は小学生かよ〜」
「いいんだもん!はるちゃ…あっ…」

いつものようにはるかを呼ぼうとしていたが、梅子ちゃんと一緒に来ていたのを思い出したみたいで、俺の方に踵を返して走ってきた。

「俺たちはあっち行こ、はるちゃんがんばってね♪」
「な…何が…だよ///」

慌てるはるかを置いてかなたに手を引かれながらその場を離れると、二人はモジモジしながらではあったが楽しそうにお互いに会話を交わしていた。


「武、こいでよォ♪」
「はいはい、お前ブランコ好きだな」

ブランコに乗ったかなたの頭をクシャクシャと撫でると、いつものように背中側に廻るって思いっきりブランコを漕いでやった。

「きゃっ、高い〜///」

子供のようにはしゃぐかなたにつられて、俺も自然と笑みがこぼれる。

周りまで明るくするかなたは、今日も明るい色の女の子の格好をして、周りを明るくさせていた。

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