《MUMEI》
遊園地ー保護者誕生ー
「うわぁ〜!!何から乗る!?」
1番に遊園地の敷地に入った紘は、目をキラキラさせながら言う。
紘に劣らず駆け足で入った今宵も興奮しながら続けた。
「そーだなぁ・・・・・・。ジェットコースター!!!」
「オレも乗りたい!!行っこーぜ!!」
「おー!!!」
紘と今宵は歩雪達をそっちのけで走り出した。
「ちょっと、雪村!!コト!!」
「もう見えなくなった」
「どうするの?歩雪くん」
秋葉が呆れながら歩雪に尋ねる。
歩雪は溜息をつきながら、こめかみに手を当てた。
オレとは2人になれなくて、どうして琴吹となら行くんだよ。
しかもとびっきりの笑顔を浮かべて。
こーは鈍感だから言わなきゃ分かんないんだろうけど。
少しぐらいオレの気持ち分かってくれたって・・・・・・。
「歩雪くん?」
沈みかけている歩雪に秋葉は声をかける。
この声に我に返った歩雪は、もう一度溜息をついて提案した。
「とりあえずあいつらのとこ行こ。大体の見当はつくし」
「そうね。まったくあいつらったら!!」
2人の保護者は大きな子供達を迎えに歩き出した。
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